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ALSひるまず力まず14 ~患者会 もっと多くの入会を~

ALSひるまず力まず14 ~患者会 もっと多くの入会を~

著名人が頭から氷水をかぶって寄付を訴える「アイスバケツチャレンジ」で、「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」という病名はある程度浸透してきた感がある。チャレンジで集まった多額の寄付はALSの原因究明や、ALS協会の活動に有効に使わせていただいている。

 そうはいうものの、患者総数に対する会員数(入会率)は意外なほどに低い。都道府県別の入会率は総じて20%以下と低調。広島県支部もご多分に漏れない。病名告知を死亡宣告のように捉えてしまったり、動かなくなった体を受け入れられなかったりする患者、インターネットで情報は十分に得られると考えている患者に入っていただけていないようだ。

インターネット上には多くの情報があふれているが、眉唾ものも多い。時には先輩患者のアドバイスを得て、冷静に判断してほしい。

一人で悩むことなく、悔いのない暮らしを送るためにもぜひとも入会してほしいものだ。まあ、どこの組織も入会すると役職が回ってきたり、おせっかいがいたりして面倒くさいのも確かなのだが…(笑)。

Hirumazu14
イラスト・銀杏早苗

日本ALS協会広島県支部の活動の柱は五つある。一つ目は、患者と家族の交流会だ。広島市内で月に1度、県東部と県北部でも不定期ながら開いている。

 後の四つは、最新治療や介護制度の情報共有▽学術講演会の開催▽行政への陳情活動▽たん吸引のできるヘルパー養成―だ。私のような患者だけでなく、患者遺族、看護大学教員、そのほかのボランティアが役員を務めている。広島県外の支部や、ほかの病気の患者会がうらやむほど活発に活動している。

私が会に首を突っ込む以前の活動については、幽霊会員だったので全く知らない。私が支部長になったからには、学術的かつ楽しい支部にしようと躍起になっている。陳情活動も行う患者会として有効に機能するためには、少なくとも5割の入会率が欲しい。

2割程度の入会率では、いくら熱く行政へ訴え掛けようとも、ALS患者の意見を代弁しているとは、言えまい。私が行政の担当者だとしても「一部の意見」として取り合わないに違いない。なんとしても入会率を上げなくては…。

<中国新聞 2019年(令和元年)6月19日(水曜日)掲載>